“アルミと鉄”新溶接工法 丸久・ナイス・沖新船舶工業が開発
コスト低減、工期大幅短縮
【福岡】UACJの指定問屋、丸久(本社・福岡県粕屋郡、社長・松下健三氏)は24日、溶接材料メーカー、ナイス(同・尼崎市、同・金川芳香氏)、造船メーカー、沖新船舶工業(同・長崎県佐世保市、同・遠藤勝秀氏)と共同で、アルミと鉄を溶接する「アルスティールジョイント」を開発したと発表した。
ナイスの特殊溶接材を使用し、嵌合方式を採用したのがポイント。
従来工法に比べてコスト・工期とも大幅に低減できるとしている。
中・小型の特殊船において、上部構造をアルミにする場合はボルトやリベットを用いる方法と、爆発圧着工法が一般的。新開発の嵌合方式はボルトやリベットを用いる方法と、爆発圧着工法の、中間的な位置づけとなる。
「アルスティールジョイント」は、アルミと鉄を溶接するためのジョイント部材。様々な形状の部材接合が可能で、造船、輸送機、水門、プラントの各分野での活用が見込まれている。既に引き合いも来ているという。
特許を出願中で、開発担当の小南善治船舶グループ長は「嵌合技術の進化と、溶接課題を克服することで誕生した『第3の工法』として提案させて頂きたい』と話している。
同社は今年3月、福岡市博多区から現在地に新社屋・倉庫を建築。
移転を機に、新分野の需要開拓に積極的に取り組んでいる。従業員32人で前12月期の売上高は57億円。今期は64億円を見込んでおり、東京都内への事務所開設を検討している。
鉄鋼新聞 2014年10月27日掲載記事