丸久、加工機販売に注力
今期売上高2億円目指す
【福岡】九州地区のアルミ製品流通大手の丸久(本社=福岡県志免町、松下健三社長)は加工機販売部門が急成長、2016年12月期(16年度)は同部門の売上高2億円を目指す。素材販売のツールとして加工機の受注を請け負ってきたが、問屋機能の拡充を求めて「加工機販売グループ」を14年度に設置。16年度はこれをステップアップさせる。今後、「当社のブルーオーシャン戦略(競争のない未開拓の市場を切り開くこと)に沿って材料販売との相乗効果を図り、目標を達成したい」(中林俊雄グループ長)としている。
同社は14年度以前、サービスの一環として材料の販売先からの依頼に応えるかたちで加工機の受注を行ってきたが、販売台数としては年に1台程度のペースだった。14年度からは丸久ブランドの確立を目指し、問屋機能の充実を図るため、加工機販売グループを立ち上げた。国の補助金・助成制度が行われたこともあって、同グループは成長。15年度の加工機納入実績は約8000万円に達した。
16年度はすでに約1億円の受注残を抱える。このため16年度の売り上げ目標額を2億円、加工機販売台数を15台に設定した。政府の15年度補正予算によるものづくり補助金や省エネルギー生産性投資促進などが決まり、追い風となっている。
同社が販売する加工機はNC制御のボーリングマシンや切断機、タレット加工機、門型複合マシニングセンターなど。半導体や建築、輸送機械といった各業界向けに銅やアルミなどを加工している業者に販売している。15年度にはタイの日系合弁企業に門型複合マシニングセンターを輸出するなど、販売先が広がっている。今後、取引する加工機メーカーを増やす考え。
同社は22年度をゴールとする長期経営計画を策定し、14年度からスタート。21年度に売上高100億円到達を目標としている。16年度は中期1期目の最終年度にあたるが、方針として月間取扱量1100トン、目標売上高76億円、自己資本比率アップ、ブルーオーシャン戦略などを掲げる。「丸久ブランド」の価値向上を果たし、取引先の低コスト化、サービス向上を図る考え。
同社の15年度は売上高が約73億8000万円で前期比約15%増だった。
産業新聞 2016年2月8日掲載記事